ARマーカーを正しく検知する方法(含AprilTag)

こんにちは、IXEの古賀です。
今回は ARマーカーを正しく検知するポイント について紹介したいと思います。
この考え方は、他の画像処理技術でも同様に意識しておくと効果的です。ぜひ参考にしてみてください。
よくあるご相談
「ARマーカーを読み込めたけれど、安定して検出できない」「結局うまく使えなかった」
──そんな声をよく聞きます。
分かります。ネットのサンプルを試しても、想定より検知しなかったりしますよね。
今回は、そういった課題を持つ方に向けた 実践的なアドバイス をまとめました。
ARマーカーを正しく検知するためのノウハウ
いくつかポイントがありますので、結論から申し上げます。
- 重要ポイント1:カメラのフォーカスをしっかり合わせること
- 重要ポイント2:カメラのシャッタースピード(露光時間)を調整すること
- 重要ポイント3:カメラの解像度を上げること
まずはこれらをしっかり確認しましょう。
その次に下記番外ポイントも考慮するとより効果的となります。
- 番外ポイント1:光の反射を抑える工夫をすること
- 番外ポイント2:マーカーサイズを適切に設定すること
- 番外ポイント3:カメラの歪み補正を行うこと
- 番外ポイント4:カメラの機種や性能を考慮すること
次項より、それぞれ解説していきます。
重要ポイント1.カメラのフォーカスをしっかり合わせること
もっとも基本的ですが、非常に重要です。
下図は同じ条件で3段階のフォーカス調整を行った例です。全く違いますね。

読み込みたいARマーカーとの距離に合わせ、適切な焦点距離に設定しましょう。
安価なWebカメラではマニュアル調整ができない場合もあります。
ピントが甘いと輪郭がぼやけ、誤検出の原因になります。もしも用途が限定されているのであれば、オートよりマニュアルのほうが安定します。
重要ポイント2.カメラのシャッタースピード(露光時間)を調整すること
静止状態では読めるのに、動かすとまったく読めない──そんな経験ありませんか?
これはシャッタースピードの影響です。
露光時間を短く設定することで、ブレやノイズを抑えられます。
ただし、映像が少し暗くなるのは避けられません。照明条件とバランスをとりましょう。
照明を明るく+露光を短く が基本です。下記の比較動画で違いを示すと非常に分かりやすいです
この動画はかなり高速にカメラを動かしていますが、設定の有無で検知能力に大きな差があることが分かります。
重要ポイント3.カメラの解像度を上げること
解像度が低いと、マーカーのセル構造が潰れてしまいます。
静止画を拡大してみると、「マーカーの四角がにじんでいる」ことが多いです。
FHDを4Kにしたら倍読める!という単純な話ではありませんが、
十分なピクセル密度で撮影できるように意識すると安定度が上がります。
読み込めないときは、ピクセルレベルで拡大してみると、読めない理由が非常に分かりやすくなります。

番外ポイント1.光の反射を抑える工夫をすること
環境によっては、照明の反射がマーカーを白飛びさせてしまうことがあります。
反射を避けるには:
- マット紙で印刷する
- 拡散照明を使う
- 照明とマーカーの角度を調整する
といった対策が効果的です。
番外ポイント2.マーカーサイズを適切に設定すること
遠距離で小さすぎるマーカーは、ほとんど読み込めません。
検証環境では読めても、実運用で失敗する“あるある”です。
タグサイズにもよりますが、画像上で100ピクセル以上を目安に設計すると安定します。
用途に応じてサイズを最適化するのが、活用の近道です。
番外ポイント3.カメラの歪み補正を行うこと
広角レンズでは画像の端が歪み、マーカーが変形してしまいます。
キャリブレーションを行い、歪みを補正して使うと精度が大きく向上します。
魚眼カメラなどは専用のキャリブレーションがあるので、それを活用してみましょう。

番外ポイント4.カメラの機種や性能を考慮すること
2000~3000円のWebカメラでも検証には使えますが、
露光やフォーカスを細かく調整できないことが多いです。
本格的にARマーカーを運用するなら、調整機能を備えたカメラが断然おすすめです。
正直、安価なカメラでは使えない・・・と判断したとしても、ちゃんとした性能のカメラを使うと使える!といった判断になることもあります。
ですので、ARマーカーを何らかの用途で使用する場合は、そこそこのカメラで検証するとよいと考えています。
まとめ
いかがだったでしょうか。ARマーカーは「環境を整えるだけ」で検出率が大きく変わります。
一つひとつのポイントを意識することで、確実で安定した認識が可能になります。
ARマーカーの一種である AprilTag に関する関連記事も下記にリンクしています。ぜひ参考にしてみてください。
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弊社の技術記事は、良識のある範囲で断りなくリンクや引用を行っていただいて構いません。


