NxWitness 新プラグイン紹介 AprilTag検出とIoT連携で現場をスマート化
こんにちは!IXEの古賀です。今回は、弊社で開発したNxWitness向けのプラグインについてご紹介します。このプラグインは、映像管理システム「NxWitness」をさらに強力なツールへと進化させることが可能です。AprilTag検出や、基幹システム連携・IoTセンサー/PLC連携など、多彩な機能を追加するものです。エンジニアの視点で、その機能と利便性を皆さんにお伝えできればと思います。
開発プラグインの概要
弊社では、NxWitnessに組み込むための3つのプラグインを開発しました。それぞれ、異なるニーズに応えるため開発しました。
1. AprilTag検出プラグイン
このプラグインは、AprilTagを用いて人や物体の識別を可能にするものです。たとえば、物流倉庫で荷物の識別や追跡を行ったり、特定のエリアに入った人物を識別するなど、さまざまな場面で活用が可能です。また、距離の識別機能も備えており、安全管理や効率化に寄与する場面が多く存在します。
- 人や物体のタグによる識別
- 距離計測を活用したエリア管理
- 高精度なトラッキング機能
人に貼り付ければ、顔が見えない人でも識別が実現できます。識別した情報を活用してセキュリティシステムの構築やデータ分析等が可能となります。
その他、タグの検知有無で、センサー代わりに使用したり、距離や移動量を計測して動作量計測をカメラで行うこともできます。AI画像処理と比較して高精度かつ信頼性の高い検知が可能ですし、事前学習等が不要で容易に対応が可能です。また、QRコードと違って情報量は少ないものの、読み取り率・距離という観点では圧倒的にAprilTagに優位性が上がります。
今回開発したプラグインでは、処理速度・検出精度等細かく気を配って開発しました。カメラ性能に依存するところもありますがAprilTagに関する様々なパラメータを調整可能にしています。カメラを使った仕組み構築を行う場合、是非活用を検討してみてください。
2. 外部情報連携プラグイン
PLCや生産管理システムなど、外部のシステムと連携することで、映像とさまざまなIoTデータを統合的に表示するプラグインです。これにより、カメラ映像に対して生産状況のデータや機械の稼働状況をリアルタイムに同時表示することができます。
- 映像とIoTデータの統合表示
- 生産管理システムやPLCとの連携
- 現場状況を直感的に監視
よく現場の数値状況を事務所モニターに表示したりしているケースがありますが、あくまで数値しか分かりません。
また、監視カメラの映像も同様に事務所モニターで表示しているケースがありますが、現場映像のみが見えるのみです。
このプラグインを活用し、他システムや機器と連携することで、”現場の生の映像”と”数値や文字情報”を一緒に閲覧することが可能です。結果、より直感的に現場情報の把握等が可能となり、効率的な現場の管理が実現できます。
また、NxWitnessの標準機能を使用すれば、連携した文字列情報や数値情報から映像の検索が可能となり、業務上のトラブルからの調査などがより容易となります。
これが出来るということは、下記のように「複数のカメラを活用したAprilTagをキーとした材料・製品の映像トレース」であったり、「設備の稼働上状況やアラームが瞬間の映像確認」ということも実現が可能となってきます。アラームごとの絞り込みも面白いかもしれませんね。
現場作業の実態調査・品質保証といった様々な活用が期待できます。もちろん、製造業以外の分野でも活用可能です。
3. 外部トリガーより写真を撮影・保存するプラグイン
特定のトリガー(たとえば、PLCからの信号やセンサーからの情報)を基に、カメラ映像の写真を自動的に撮影し保存するプラグインです。製造ラインで製品の写真を品質記録として保存したり、特定のアクションに応じた証拠写真を自動で撮影するなど、用途は非常に広範です。
- 外部トリガーによる自動撮影機能
- 証拠映像や製品写真の自動記録
- 効率的な品質管理と監視の強化
NxWitnessにも既に動画を文字情報付きで保持する機能は既に存在しますが、写真として外部出力する機能は有りません。そのため、今回開発をしました。期待している用途としては、食品工場等での品質保証等での使用を想定しています。例えば、マシンの稼働に合わせてロット毎に写真を記録。お客様より商品クレーム等が発生した場合に、調査等での活用を期待しています。
開発背景と活用事例
これらのプラグインは、映像管理システムを可能性を押し広げるために開発しました。特に、多くのお客様からの「カメラ映像と現場データを一体化したい」というニーズに応え、NxWitnessの強みである柔軟なプラグインシステムをフルに活用しています。
例えば、ある製造工場では、外部情報連携プラグインを使って、生産ライン上の製品ごとの品質データをカメラ映像とともに記録しています。これにより、トラブル発生時の原因追跡が迅速になり、品質管理の精度が飛躍的に向上することが可能です。
また、サイネージとして使用することで、より直感的な現場情報の把握が可能となります。
プラグイン導入のメリット
- シームレスなIoT連携: NxWitnessの映像管理とIoTデータが統合されることで、管理の一元化が可能になります。
- 柔軟な対応力: 各プラグインはエンドユーザーのニーズに応じてカスタマイズが可能で、さまざまな現場で活用されています。
- 高信頼性の映像記録: 映像管理の基盤として高い信頼性を持つNxWitnessと連携することで、情報の正確な記録と保全が実現します。
まとめ
以上が弊社で開発したNxWitness向けプラグインの概要です。これらのプラグインにより、映像管理システムがよりスマートになり、現場の効率化と安全性の向上を実現します。ご興味を持たれた方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。皆様の現場に最適なソリューションをご提案させていただきます。
AprilTagはミシガン大学によって開発され、BSDライセンスの下で提供されており、著作権表示およびライセンス条項の遵守が必要です。
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