モバイルデバイスでのAprilTag読込検証
こんにちは!IXEの古賀です。最近AprilTagに関する相談・問い合わせが多いため、備忘も兼ねてスマートフォン等のモバイルデバイスでのAprilTag読込検証記録を残します。文章少なめです。
検証目的
iPhone,Androidデバイスといった、モバイルデバイスでのAprilTag読込処理確認を行い、モバイルデバイスでの実用性可否判断に活用する。
ソフトウェアは既に公開されているデモ版を使用。実務用途の場合は、様々な調整を行う事を想定する。
検証機器
端末名 | OS | CPU | ハードウェアメーカー | 備考 |
iPhone14 | iOS | A15 Bionic | Apple | 汎用スマートフォン |
Xperia Ace III(A203S0) | Android 13 | Snapdragon 480 5G | SONY | 廉価版スマートフォン |
Acty-G3+ | Android 10.0 Go | Cortex-A53 1.3GHz 4core | CYBERDYNE Omni Networks | IoTエッジカメラ |
検証で使用したソフトウェア
- iOSの場合、「AprilTag」を使用。
https://apps.apple.com/us/app/apriltag/id736108128?l=ja&platform=iphone - Androidの場合、「AprilTag detector」を使用。
https://play.google.com/store/apps/details?id=edu.umich.eecs.april.apriltag&hl=ja
検証方法
各モバイルデバイスから約50mmのAprilTagを読み込みを実施。
約30cm~50cm程度離しての識別状況を目視確認する。
検証映像と結果
- iPhoneの読み込み検証
ハードウェア性能・カメラ性能ともに申し分ないため、さすがの検知力。
業務利用に十分利用可能と判断できる。 - Xperia Ace III(A203S0)の読み込み検証に
普段の操作でストレスと感じるほどの遅延があるAndroidですが、検知性能として予想より良い。
限定的な使用をすれば十分利用可能。 - Acty-G3+の読み込み検証
他のデバイスに比べて、明らかに検知力は弱い。
条件を限定すれば利用可能。自動読み取り装置として使用できなくはないが、過度な期待はしないようが良い。
総合評価
今回検証したソフトウェアはすべて、ミシガン大学より開発されたDEMO版であり、微調整は実施されていない。
実際に業務利用しようとした場合、フォーカスの調整 及び シャッタースピードの調整をソフトウェア制御する必要はあると感じている。
また、用途に応じたスキャン頻度・画質調整等を実施すれば、いずれのデバイスでも使えるようになるだろう。また、動体に対する検知力もかなり向上するものと考えている。
iPhoneの検知力が想定より良かったため、複数タグを組み合わせた桁増加対応を行えば、ロボット分野だけでなく業務用途でも使用できる可能性を感じた。
AprilTagはミシガン大学によって開発され、BSDライセンスの下で提供されており、著作権表示およびライセンス条項の遵守が必要です。
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