手軽に実現「PATLITE社製 NHVシリーズ」を活用した契約電力削減対応

こんにちは!IXEの古賀です。今回は、ITの専門知識がなくても簡単に実現できる、PATLITE社のパトライトを活用した改善事例をご紹介します。今回の事例に限らず、さまざまな業務に応用可能ですので、ぜひご参考にしてください。

PATLITE NHVシリーズとは

PATLITE社より販売しているパトライト製品の一つでパトライト単体でメールチェックや合成音声の生成などが出来るようになっています。
PATLITE社が提供するパトライト製品の一つで、パトライト単体でメールチェックや合成音声の生成などが可能です。従来のパトライトは、外部からの信号に応じてランプを点灯し、状態を通知することが主な用途でしたが、NHVシリーズは機能が大幅に拡張されており、単体で多くの処理を行えます。小型のコンピュータがパトライトに搭載されているようなイメージです。

製品の詳細については、以下のURLからご覧ください。
https://www.patlite.co.jp/product/detail0000000759.html

パトライト単体でできること

NHVシリーズは、従来に比べてパトライト単体でできることが飛躍的に向上しています。設定するだけでさまざまな入力に対するアクションを行うことが可能です。

【入力(トリガー)】

入力(トリガー)主な用途
デジタル入力(DI)外部設備等の電気的信号連携
PLCデバイス監視入力設備等の制御連携
PING監視簡易ネットワーク監視
SNMP TRAP受信/状態監視ネットワーク機器監視
メール監視メールによる外部システム連携
外部コマンド制御外部システム連携
クラウド連携(Azure,AWS)クラウドによる制御連携

【出力(入力に対するアクション)】

出力主な用途
点灯視覚による報知
警報音による報知
合成音声出力音声による報知
デジタル出力(DO)設備等の制御連携
ラインアウト出力スピーカー出力
SNMP出力ネットワーク機器居連携
メール送信メールによる外部システム連携
HTTP/SOCKETコマンド連携外部システム連携
クラウド連携(Azure,AWS)クラウドによる制御連携

これらの機能をパトライト単独で実行できるため、あらゆる機器のハブとして活用可能です。

従来のパトライトは「指定した色が光るだけ」でしたが、今ではまるで小さなコンピュータが内蔵されているように機能します。これにより、システムの構築が容易になり、信頼性を高めつつ構築コストも抑えられます。単体で見ると少し高価に感じるかもしれませんが、その機能性と信頼性を考えると非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。もちろん、複雑すぎる制御となると話は変わってきますが、ある程度のことはパトライトで解決する場合も多いでしょう。

取り組み事例

多くの企業で、脱炭素社会への貢献やコスト削減のため、電気代削減の取り組みを行っています。特にピーク消費電力の削減は、電気料金の大幅な削減につながります。今回は、ピーク消費電力を削減するための取り組みを行いました。今回のお客様の環境では、すでに電力を可視化する仕組みが構築されており、設定した消費電力の閾値を上回りそうな場合に警報が発せられるようになっていました。しかし、その警報はメールでのみ通知されるため、リアルタイムに対応できないという課題がありました。


今回、警報メールをパトライトにて直接受信し、光と警報音、音声で報知を行いつつ設備を自動停止するなどの対応を行っています。

  1. パトライトにSIMを挿入し、インターネット経由でメールを監視。
  2. 電力異常を検知した際に、異常レベルに応じたランプの点灯および音声で報知。
  3. PING機能を活用し、ネットワークの不具合がないかを監視(必要なときに報知が行われないトラブルを防止)


結果、電力消費量がピークを超えさせない仕組みを作ることで、電気代増大リスクを削減することができます。

従来、このような仕組みを高い信頼性で構築するためには、サーバーを含む制御システムを構築する必要がありました。しかし、今回パトライト一つで実現できたことは革新的でした。機器が増えるほど障害のリスクも増加するため、シンプルに構築できることは非常に有用です。

今回はメール制御のみの利用でしたが、NHVシリーズには他にも多くの機能が備わっており、日常業務にも活用できると考えています。

まとめ

従来、このようなシステムを実現するためには、制御ソフトウェアやサーバーを準備するのが一般的でした。しかし、このパトライトを使用することで、わざわざソフトウェアを作成しなくても、設定だけで24時間監視が可能になります。設定画面も直感的で使いやすく、信頼性も期待できます。良い時代になったものです。

パトライトを活用することで、手動で定期的に行っていた監視作業を自動化し、より確実で効率的な業務が実現できるかもしれません。ぜひ、身近な業務で活用できないか検討してみてください。

弊社の技術記事は、良識のある範囲で断りなくリンクや引用を行っていただいて構いません。

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