NxWitness: 進化した映像管理システムのご紹介

こんにちは!IXEの古賀です。今回は、弊社がPlugin開発を手がけた映像管理システム「NxWitness」をエンジニアの視点からご紹介します。ビデオ監視や動画解析を検討されている方に、ぜひ参考にしていただければと思います。
NxWitnessとは?
NxWitnessは、非常にシンプルで柔軟性の高い映像管理システム(VMS)です。特にカメラ映像の監視や管理に強みを持ち、その拡張性から多くの業界で活用されています。直感的に操作できるため、エンジニアはもちろん、現場スタッフにとっても扱いやすいのが大きな特徴です。
実際に使用してみた感想としては、映像管理の多くのニーズを設定一つで対応できる完成度の高さを感じました。

具体的な強みを以下に紹介します。
NxWitnessの強み
- 柔軟な拡張性:複数サーバーの統合が可能で、IPネットワークカメラの99%に対応しています。
- 大規模システムへの対応力:小規模から大規模ネットワークまで、システムのスケールが柔軟に対応可能です。
- 直感的なUI:ユーザーごとにカスタマイズ可能なインターフェースで、現場のニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。
- プラグイン対応:APIやSDKを使って、独自の解析機能やカスタムソリューションを追加できます。
NxWitnessの開発元は?
Nx Witnessは、Network Optix社によって開発されたIPビデオ管理システム(VMS)で、主にビデオ監視用途で使用されます。Network Optixは2010年にシリコンバレー(米国)で設立され、本社はカリフォルニア州ウォールナットクリークにあります。また、世界中にオフィスを持ち、バーバンク(カリフォルニア)、ポートランド(オレゴン)、セルビア、台湾、オランダなどに拠点があります。
Nx Witnessは、190か国以上で使用されており、400万台以上のデバイスを管理されています。セキュリティや交通、ヘルスケア、スマートシティなど、さまざまな業界で利用されています。特に、IPカメラやIoTデバイスとの高い互換性、AIを活用した分析機能、カスタマイズ性の高さが特徴です。
またNetwork Optixは成長著しい企業としても評価されており、数年連続でInc. 5000リストに名を連ねており、信頼できる企業です。
Network Optix社 参考リンク
https://www.networkoptix.com/blog/2024/08/21/network-optix-makes-inc-5000-list-for-the-9th-consecutive-year

他の監視カメラシステムとの違い。具体的に何が違うのか?
NxWitnessが他の監視カメラシステムと比べての具体的な強みを以下に紹介します。
柔軟な拡張性
- 多くの監視システムは事前に設定された制約の中でしか利用できないことが多いです。
安価なものだと、接続台数等が予め決められているケースが多いですよね。そのような場合、カメラを増やすために監視システム本体毎買い替える必要が出てきます。NxWitnessはコンピュータサーバーにインストールするタイプの映像管理システムです。
そのため、カメラ台数の制約もありませんし、複数のサーバーを1つのサーバーのように”統合”することもできるので、無制限の拡張が可能となっています。また、市場に出回っているIPネットワークカメラやONVIF準拠のカメラについて、99%対応しています。既存ネットワークカメラをそのまま使用して、映像管理のみをNxWitnessに置き換える等も可能ですので、現行システムからの切り替えにも有効です。
カメラ本体設定もメーカーごとに違う場合が多いですが、NxWitness上から直接設定できる点も非常に魅力的と感じました。
こちらから、対応ネットワークカメラを検索することが出来ます。
Network Optix IP Video Supported Devices List
https://ipvd.networkoptix.com/#!/
また、NxWitnessは、規模を問わずスケールできるのが魅力です。小規模な監視システムから大規模なネットワーク全体の映像管理まで対応可能です。そのため、プロジェクトの予算に応じて柔軟に対応が可能です。

その他、単純な24時間録画だけではなく、決まったエリアにて検知した場合や、特定の時間だけ録画するなど柔軟に設定が出来ます。 セキュリティ用途であれば、ほぼ全ての要件に対応できそうです。さすが、10年超 継続して改善開発を行っただけのソフトだなぁと感じました。

拡張可能なユーザーインターフェース
NxWitnessのユーザーインターフェースは非常に柔軟で、ユーザーごとにカスタマイズが可能です。他のシステムでは、決まったレイアウトに制約されることが多いですが、NxWitnessはユーザーのニーズに合わせて自由にUIを調整できるため、現場のスタッフが必要な情報をすぐに把握できます。
もちろん、複数モニターにも対応できますので、ドラマで見るような監視カメラシステムも簡単に構築が可能です。
実際に触った動画を撮影しようと思いましたが、NetworkOptix社の動画を見たほうが早いので、こちらに掲載します。
エンジニア目線でのNxWitnessの良い点
ここからが、この記事での本題です。エンジニア目線で魅力的と感じた点を紹介します。
柔軟なプラグインシステム
NxWitnessはAPIやSDKを公開しており、解析プラグイン開発が可能です。IXEもこの柔軟性を活かし、独自の機能を開発してNxWitnessに追加することで、お客様のニーズに合わせたソリューションの提供が可能です。この拡張性は、エンジニアとして非常に魅力的であり、お客様ごとの専用ソフトウェアの実装が可能となります。他のカメラシステムでの開発において、映像解析システム(AI/画像処理等)と監視カメラシステムは別に構築する場合が一般的です。しかし、本プラグインシステムを用いて開発することで、監視カメラシステムと映像解析システムを統合したシステムの構築が可能となります。
統合したシステムの開発が可能ということは、下記のメリットがあります。
NxWitnessで画像処理等のPlugin開発を行うメリット
- 映像解析情報を監視映像として記録が可能。
- 監視カメラと映像解析カメラの共有が可能。別々のカメラにする必要がない。
- 信頼性のある監視カメラシステムの一機能として使用することで、高信頼性のシステム構築が可能
NxWitness Plugin開発でできること
- 映像解析処理(AI/画像処理)の実装 及び 映像記録
- 映像と他システムやPLC、センサーとの連携システムの構築
- 映像と背景情報(メタ情報・タグ情報)の文字列紐づけ

別の記事で、弊社にて開発したPluginも紹介させていただきますので、ぜひご参照ください。
迅速かつ柔軟なアラート通知と対応
NxWitnessは、リアルタイムで異常を検知し、迅速にアラートを発信する機能を備えています。他のシステムではアラートの遅延が問題となることがありますが、NxWitnessはエッジアナリティクスによる即時対応により、異常の早期検知と迅速な対応が可能です。これにより、トラブルが発生した際の影響を最小限に抑えることができます。この機能についても多様な対応が可能であることが特徴です。
実際にトリガーとアクションの設定内容を下図に示します。

これらの”トリガー”を起点として”各アクションの設定”が出来ます。
そのため、トリガーイベントにはPluginなどで開発したイベントや、外部システムからの連携通知も設定可能です。そのため、非常に柔軟なイベント記録が可能です。記録したイベントは後から見ることも出来ます。
現場で活用されている具体的な事例
例えば、物流倉庫ではNxWitnessを用いてカメラ映像を管理し、リアルタイムの監視を行っています。また、動体検知やエリア内の侵入検知といった機能は標準で備わっているため、検知イベントを軸とした監視業務が可能となります。
また、製造業の現場では、NxWitnessを利用して作業工程の監視や製品の品質管理を行っています。例えば、AIを組み合わせた画像認識プラグインを導入することで、不良品の早期検出が可能になり、品質管理の精度向上に寄与しています。さらに、エッジアナリティクスを活用することで、リアルタイムのトラブルシューティングも可能となり、生産性の向上にもつながっています。この内容については、別記事でも詳しく紹介させていただきます。
さらに、教育機関では、NxWitnessを使って校内の安全を確保しています。学生の安全を守るために、エリア侵入検知や特定のエリアでの異常行動の検知機能が活用されています。他のシステムと異なり、AIを用いた行動分析プラグインの追加により、緊急時には迅速な対応が可能です。
NxWitnessは様々な外部連携APIも備わっており、UIの部分を自社で開発して使いやすくするなども可能ですので、映像管理基盤としても使用が可能な点も良いと感じました。
まとめ
NxWitnessはそのシンプルさと柔軟性、そして拡張性によって、様々な業界で利用される優れた映像管理システムです。他の監視カメラシステムに比べて、ユーザー目線での操作性の高さやカスタマイズ性、拡張性が大きな強みであり、多くの現場で効率的な運用を支えています。また、AI統合の容易さや迅速なアラート通知、多層的なセキュリティ対策といった特徴により、あらゆる業界のニーズに応えられる製品となっています。
株式会社IXEでは、こうしたNxWitnessの特性を最大限に活かし、カスタムPlugin開発を通じてお客様に最適なソリューションを提供しております。もし、NxWitnessについてさらに詳しく知りたい、もしくは自社での活用をご検討されている場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
次回は、NxWitnessに搭載できるAprilTag Pluginや様々な業種で活用可能なPluginについて紹介する予定です!
弊社の技術記事は、良識のある範囲で断りなくリンクや引用を行っていただいて構いません。