PLCって何?

古賀です。私は職業柄、ITエンジニア・設備エンジニア・工場管理スタッフなど、様々な役割の方とお仕事させて頂いています。弊社が行っている業務のひとつとして、見える化や制御関連の案件相談を承るのですが、よくPLCって何?って話題になります。
PLCについて口頭で説明しても、意味合いやメリットについて、理解が難しいようです。インターネットで検索しても、それでも理解が難しいようです。
そういった方々に向けて、PLCについて出来るだけポイントを絞り、概要を理解できる内容を記載します。
対象者
・製造業に関わるエンジニア
・製造業 DX推進に関わる方
PLCとは
世の中では、あらゆる場所で「機械・設備」が使われていますが、さまざまな機械・設備の制御に使われているのが、PLC(Programmable Logic Controller)と呼ばれる制御装置です。PLC または シーケンサー と呼びます!(ここは人によって呼び方が違います)
設備の頭脳(CPU)であり、及び各モーター等の駆動部動作制御を行うコンピュータです。
PLCは制御盤という鉄の箱の中に入っています。これがマシンを動かしているのです。

つまり、自動化された設備がある工場には、ほぼほぼ入っているコンピュータということを理解してください。
PLCの歴史とシェア
PLCは古くから使われているコンピュータですが、今も進化を続けており、製品の製造に限らず、見える化の分野では重要となるコンピュータです。多くのメーカーがPLCを販売しています。
PLCの基となった機器は、1965年から存在しているようですね。
PLCは多くのメーカーから発売されています。日本で有名的な所でいうと、三菱電機、オムロン、キーエンス、パナソニック、横河電機、日立などですね。海外メーカーでいうと、シーメンス・ロックウェルが有名です。
グローバルシェアは諸説ありますが、下図の通りです。これは、調査先によって異なるので、自身で調べてください。ざっくりとしたシェアです。
国内のシェアでいえば、三菱電機のPLCが最も使われています。

なぜPLCが使われているの?
マシンの制御であれば、パソコンやラズパイみたいなのでも作れるじゃない!って思う人もいるかもしれません。ではなぜ、PLCが使われているのでしょうか。
PLCが使われている理由①圧倒的な耐環境性能 及び 信頼性
PLCは生産制御に特化した、専用ハード、専用OSで作られています。
そのため、多少環境が悪くてもずっと動き続けます!!
パソコンは高機能すぎて脆弱性も多く、止まってしまったりしますが、PLCは10年連続で平気で動きます。
PLCが使われている理由②柔軟に入出力を増減できるハードウェア
PLCで設備を動かせるって言っても、設備の形は様々ですよね。体育館くらい大きな設備もあれば、人の大きさ程度の設備もあります。PLCは様々な設備に使用できるよう、多くの拡張性を持っているので、用途に応じてセンサーの数を増減できるということです。


他にもメリットは色々あると思いますが、この2点は重要なポイントだと考えています。
なぜシーケンサーって呼ばれるの?
シーケンス(順番)制御をする装置のことなので、シーケンサーとも呼びます。シーケンス制御とは、機械などが順序通りに動作するように制御することをいいます。

そもそも設備ってどうやって作られているの?
多くのエンジニアにて協力を行いながら設備を作ります。下図は1例です。この図の電気ハード設計のタイミングでPLCの選定を行っており、電気ソフト設計のタイミングでPLCのプログラムが作られています。

PLCのプログラミングはどうやるの?
各メーカーの開発ソフトウェアを使って開発します。三菱の場合は、GX DeveloperやGXWorksを使って開発します。言語は「ラダー」と呼ばれる言語がメジャーで使用されていますが、様々な言語があります。

難しいように見えますが、理解さえしてしまえば、コンピュータのプログラミング言語と似たような物です。
この言語を使って、モーターを動かしたりします。これの組み合わせで、製品を作っているのです。すごいですよね。
なんで、製造業のIoTや見える化にPLCが重要なの?
PLCには多くのセンサーが既につながっています。また、直接的に製品を製造しているのは、PLCです。そのため、センサーを後付けして、生産実績を取得するより、PLCからデータを取得したほうが、楽にできるよねって事です。
下図はPLCが持っているデータのイメージですね。生産数や製造中の製品情報などを内部で保持しています。
ここから生産実績や様々なパラメータを取得すれば、現場の見える化は容易ですよね。

PLCの情報をどうやって取得するの?
PLCデータの取得方法は多岐に渡ります。両手で数えきれない程です。取得方法の一例を下図に示します。

ただ、取得に関してはパッケージも多く市販されていますので、それらのパッケージを使用すれば比較的に容易にデータ取得することができます。お勧めのパッケージは、”たけびし製”のデバイスエクスプローラーという製品ですね。お勧めです。
いかがだったでしょうか、ざっくりですがPLCを知らない人向けの概要をまとめました。
PLCをうまく活用し、見える化等を推進頂ければ幸いです。
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